変化しない事のリスクを許容する
おはようございます。中小経営者のミカタ! 中小企業診断士の牧野史登です。
本日も読んでくださってありがとうございます。感謝いたします。
今回も、孤独に頑張る中小・小規模企業の経営者の方に、お役立ち情報をお届けしたいと思います。
この仕事を始めて、驚いたことがあります。
それは「世の中、こんなにやる気のない経営者がいたのか」という事です。
失礼な言い方かもしれませんが、本当に驚きました。ただ、今回はそれを肯定する内容です。
◆返済軽減10年以上
先日金融機関の紹介でとあるお店を訪れました。そのお店、金額は大きくありませんが、金利のみを支払う返済軽減を10年以上つづけていました。
私の診断結果は「売上が足りていない」でしたので、人手を増やさずに売上を増やす方法を提案しました。そのうちいくつかはやって頂く約束をして私の診断は終了しましたが、正直手ごたえはありませんでした。非常に残念なのですが、契約上、これ以上関われないのでここで関係はいったん終了しました。その後の経過は不明ですが、おそらく診断時に作った計数計画通りに進んでいるとは思えません。
なぜそう思うかと言うと、診断で経営者と会話をしても、「やらされている感」がまるわかりだからです。
取引金融機関の勧めで派遣されているので、「仕方が無く」診断士の話を聞いていますから、前向きさはありません(と感じましたが、おそらく間違っていないと思います)。
◆なぜ変化しないか
このお店、開店してから数十年を経ており、現在の状態が(どうやら)10年以上続いているうちに、この現状に染まってしまっていました。
個人事業主ですから、個人の裁量でいくらでも変化できるだろう、と思いがちですが、気が付いたのは、どうやらそれは違うという事です。
「病気や事故があれば困るかもしれないけど、さしあたり日々は回っているし、いまのままでいいや。直ぐになにかできるわけでも無いし。」
こんな気持ちを肯定しながら働いている経営者の方を否定できない。という事に気が付きました。もういいんですよね、頑張らなくても。このままでいる事よりも、変化する方が大変ですから。
こういう方々に、専門家として派遣された自分が、売上アップの方法を押し付けてはいけない、と私は思いました。仕事としてプロとして提案はしますが、あくまで相手に委ねるという姿勢です。ですので、自分の提案が実施されなくても、やむを得ないと考えています。
これはコンサルタントの限界なのですが、それを受け入れる事も、コンサルタントの一歩です。
本日は以上です。
本日も、最後まで読んでくださってありがとうございます。
感謝いたします。
良いお年を。