工場見学はもう止めよう
工場見学ブームです。
夏休みに親子で工場見学して子供は夏休みの課題をこなす、
なんてお話もめずらしくありません。
どこの会社も訪問者をお客様としてとても大切に扱ってくれます。
私も、仕事やプライベートで工場を見せていただく機会は多いです。
100社まではいきませんが、倉庫も含めるとそのくらいは
お邪魔させていただいています。
ちなみに、会社員時代は100回以上の工場見学を受け入れた経験もあります。
◆ 幹部社員がやってきた
そんな工場見学ですが、こりゃダメだと思うのが「視察」です。
最近は工場のブラックボックス化が進んだこともあり、
同業他社に工場を見せてくれる会社はなくなりました。
一方で異業種の工場を見学したり、お客さんからの紹介で
他社の先進的な工場を見学する機会はまだまだあります。
そんな見学では自社の改善のヒントを得ようと、
そこそこの幹部社員が訪問することになるのですが…。
◆できない=やらない=何もしなくていい
他社の取り組みをひとつでも持ち帰って自社に応用できれば良いのですが、
たいがいは「ウチとは条件が違う」、
「ウチじゃできない」で終わります。
セミナー参加者の中で、実践に移すのは10%
というアレにそっくりです。
そして幹部社員さんだけあって優秀で、分析と報告書は秀逸です。
できない理由がちゃんと書いてあります。
これだけのレポートが書けるなら、どうしたらできるかも考えられそうですけど。
「できない=やらない=何もしなくていい」
なので、何もしたくないのです。
私も人間ですし、元会社員ですのでよくわかります。
実際に、会社員時代に社外監査役の紹介で他社の原価計算システムを
勉強しに行って、そのあと何も行動を起こさなかったこともありますし。
私の恥多き経験もお話ししました。
さて、工場見学はやめましょう。時間がもったいないです。
やめるのが嫌ならば「自ら行きたいと言い出した工場見学」
だけすればと考えます。
そのくらいの強い気持ちがないと、学習というものは実を結ばないものです。
社会に出るまで役に立たない学校の勉強なんかもたくさんしてきたみなさんには、
お分かりになりますよね。
ちなみに本文でも触れた通り、セミナーが役に立たない理由は
こちらで解説していますので、ご覧ください。