父が急逝、準備ができてない後継者はどうする
お父さんが急逝された後、社長継いでを数年になるご子息のお話を伺いました。
亡くなったお父様がしっかりと会社経営をなさっていたので、
急逝後も売上・利益は堅調。自己資本比率は50%を超えています。
そして事業が3つあるのですが、事業部ごとに番頭さんがおられるので
、この後継社長(40歳)は社内でやる事が無い、
と言うのがお悩みでした。
実際、会社に行ってもやる事がないままなんとなく数年が過ぎてしまい、
毎日会社でヒマな自分がいることに気が付いてしまいました。
「甘ったれるな、社長なんだから自分で考えろ!」
と思う方は、評論家に向いています。
そして中小企業のコンサルタントには向いていないかもしれませんね。
経営資源が限られた中小企業は、こういう有象無象も含めて
お悩みを解決することが大切なのです(と私は思います)。
◆ 自分にできること、足りないこと
この若社長さん、ご自身で経営者として力不足なのは理解していました。
お父さんから経営者としての教育をうける機会もなく、
突然のバトンタッチですので、条件としてはお気の毒です。
しかし、案外こういう急逝による交代はあるものです(私も何件か知っています)。
まず「いまの自分にできることをしっかりやりましょう」
とお伝えしました。
具体的には、番頭さんを筆頭にした社内とのコミュニケーションです。
社長の息子だから「入社していきなり社長」という状況です。
歓迎しない人もいるに決まっています。
ですので、「社内の人とたくさん定期的に話してだれがどんな考えを
持っているかを知ってください」とお願いしました。
そして、「そのコミュニケーションの中でご自身の意見を求められたら、
正直に言ってください。わからないものは今は分からないと言ってください」
と伝えました。それがいまの自分に足りないことです。
◆ いまはできなくても、周囲の目は気にしない
わからなくてもできなくても、社長が部下の評価を気にしなくてよい
事も伝えました。
会社には良い時期も悪い時期もあります。
その都度周囲の目を気にしていては自分がもちません。
社長の評価は、引退する最後の日に社員にしてもらえばよいのです。
そうこうしているうちに、自分のやりたいことや、
なんとなく考えていたモヤモヤが形になったりしてきます。
それを形にするために、例えば「会社の理念」を見直してもよいでしょう。
例えばそんな事があった時には、社員が自分に付いてきてくれるような
状況にしておきたいですし、それはいまから準備できることのはずです。
最後に。
本来、社長とは職位ではありません。
中小企業だとほぼ「社長=オーナー」ですので、
最上位の職位が社長だと思いがちなのですが、
そうではない、という解説動画をお送りします。