『リピーターは良くない』ものづくり補助金のお話
はい、ものづくり補助金ですね。
経済産業省がやっている補助金です。
私は経済産業省から中小企業診断士の資格を貰っておりますので、この補助金に関するニュースはチェックしています。
先日こんな記事が載っていました。
経産省の補助金、「リピーター」が3年で15% 財務省が問題視
2021年11月1日の朝日新聞の記事です。以下に抜粋しますね。
1日にあった有識者会議「財政制度等審議会」で財務省が説明した。
同省が指摘したのは二つの補助金。一つは新型コロナ禍で打撃を受けた中小企業の事業転換の費用を支援する「事業再構築補助金」だ。補助額は最大1億円、補助率も費用の最大4分の3という手厚さで、同省は「補助金依存や適正な市場競争の阻害が懸念される」とした。
もう一つは生産性を向上させる中小の取り組みを支援する「ものづくり補助金」だ。直近3年でみると、採択事業者のうちの15%が過去にもこの補助金を受け取った実績があり、どこまで生産性を向上させたのかみえない面もある。
出典:経産省の補助金、「リピーター」が3年で15% 財務省が問題視https://www.asahi.com/articles/ASPC1653FPC1ULFA00P.html
私はリピーターが15%いることよりも、『生産性向上の実績が見えない』ことが指摘の要旨だと思います。
会議の内容は?
この「財政制度等審議会」は議事録が公開されるのですが、11月1日の「歳出改革部会」は議事録はまだ公開されておりません。提出資料のみが公開されています。
ちなみに提出資料と記事の該当部分はこちらです。
該当部分:事業再構築補助金
該当部分:ものづくり補助金
リピーターが経営を安定させ成長を促進する
さて、今回の様な指摘がある一方で、この補助金にはリピーターが集まるほど需要があることも事実です。
リピーターが経営を安定させ成長を促進する
とドラッカーも言っております。
ですので、制度の在り方を見直すことは議論しつつも、リピーターが云々という点を『悪い点』とするのは私には違和感があります。
補助金を活用する事業者の方にも気になる内容だと考えております。
支出を抑制したい財務省と生産性向上を達成したい経産省の議論には今後も注目していきます。