『先生』が考える『先生』との付き合い方


突然ですが先日、紹介状をもらって地域の大きな病院に行きました。

初めて会うお医者さんに外来で診察してもらったのですが…、正直ひどい扱いでした。

手術しましょう、いつがいいですか?



レントゲンを撮って、このお医者さん(女性でした)のところに戻ってきたら、早口で説明を受けた後、こう言われました。

手術しましょう、いつがいいですか?


えーっと、このお医者さん、それ以前の説明が立て板に水だったのですが、逆に言うと早口で患者の私には理解が追い付きません。

そのとき私が聞き取れたのは、こういう内容です。

『このままでは一層悪くなる可能性がある』
『手術自体は一般的なもので、難易度は高くない』
『ただし全身麻酔が必要、手術の前後で1週間ほど入院してもらう』
『手術後は神経のしびれがでる可能性が高い』



まあ、患者の都合を聞く事もなく、よくこんなに患者にとって重要な事を一方的にしゃべるものです。

患者はこう考え、こう行動した



そして患者さん(私ですね)は、現在なんの不都合もなく生きているので、こんなことを感じました。

『一層悪くなると、何がどうなるのか?』
『1週間入院するなら、来年じゃないとスケジュール的に無理だ』
『神経のしびれが残るのはいやだ』


それから何よりも、このお医者さんを信用できませんでした。

診断して所見を述べるまでは良いのですが『患者に理解してもらう』という部分を大切にしていないと感じました。

加えて、患者に質問をさせる雰囲気も全くありません。

たまにこういうお医者さんがいますね(昨年も別な病院で似たような経験をしました)。

こまったものです。こういう時、私は自分が感じたものを大切にしています。

ちなみに、直感に関しては、過去にこんな記事を書いています。

別のお医者さんをお願いする



さて、その日はここまでにして、次回の予約を入れさせられたのですが(受け身な私です)、私は予約を取る看護師さんにこうお願いしました

『この先生じゃなければだめですか?』


結果、別の先生に次回の診察をしてもらいました。そして私の出した結論は


『私は手術を急ぎません。時間がつくれるようになったら検討します』

というものです。


診断内容自体は、1人目のお医者さんと2人目のお医者さんで変わりはありません。


しかし私の受けた印象と、私の理解度・納得度は大きく違います。

そして私は2人のお医者さんの意見を聞いて、自身のこの結論を出しました。

ひとはそれぞれ違う



ここで重要なことは『ひとはそれぞれ違う』ということです。

1人目のお医者さんのやり方で理解・納得してくれる患者もいると思います。ただし、私はそうではなかった、ということです。


そして、自分の考えやプロセスを当てはめようとする1人目のお医者さんとは、残念ですがお付き合いする気になりませんでした。


(病院名とお医者さんの名前を出しても良いのですが、それは私がここでお伝えしたいことでは無いので、やめておきます)

先生とよばれる人の責任


私は中小企業診断士という資格を持って経営コンサルタントの仕事をしています。

分野は違いますが、社長に話を聞き、現場を訪れ、企業の課題を把握し、改善方法を提示します。

つまり、こうしたお医者さん達と近しい形式で社長さんとお仕事をしています。

ただし、『先生』とよばれること自体はあまり好きではありません。

相手と壁が出来るような気がするからです。ただし相手の意志を尊重して『やめて下さい」とは言いません。

そして自身も『先生』と呼ばれる立場である以上、その呼び名に恥じない仕事をしようと心がけています。


ですので、このような事例(1人目のお医者さんですね)に接すると、身につまされる思いです。

そして自分がこうした姿勢になっていないかを省みます。


先生を盲信しない



ただ、残念ながら『お金がたくさんもらえるから』という理由で『先生』になりたい方もいらっしゃいます(1人目のお医者さんがそういう方なのかは知りません)。

しかし、患者さんも社長さんも、ご自分自身の大切な身体や事業を診てもらうのですから、『先生』を見る目は鋭く厳しい、と私は考えていますし、そうあるべきだと思っています。


『先生』のいう事に違和感を覚えたり、信頼がおけないという直感が働くようでしたら、是非ともご自身の印象を大切にしてください。


この厳しい目こそが、あなたの大切な身体や会社を守り、一方で違和感を与えた『先生』に内省の機会をあたえるのですから。




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