そりゃ儲かりませんよ…

はい、儲かる儲からないのお話です。なんか怪しいですね。

でも怪しい話をしたいのではありません。こんな視点では『儲かる』というゴールにたどり着きません、というお話です。

なぜ私は儲からないのか?

先日、こんなご相談を頂きました。

一生懸命働いていて休みも無く忙しいのに手元に残るお金が少ないと感じている。何が悪いのか教えて欲しい。

そうですね、とても意欲のある事業者の方です。

そして現状に満足せず、改善意識や向上心をもつことはとても大切です。

さてこの方の事業の決算書をお借りして経営分析をしてみました。

その結果業界平均と比べてみると、売上原価(この方の場合は材料費)が高く、1人当たりの売上も少ないことが分かりました。

つまり『コストが高いが、それに見合った売上が無い』という事になります。

対策としては、材料費を下げるか売価を上げるかになります。単純な話です。

原因と対策はこうです。

原因
「材料が高い=良い材料を使っている」

対策
① 過剰品質になっているので、顧客が許容できる品質まで下げる
② 高い品質に見合う付加価値を頂くために売価に変更する

しかし決算をもとにその点を説明しても、この事業主の方にはまったくピンと来ていない様子です。

そして、実はこのようなふわっとした質問とても多いです。

この方は、そもそも質問が的を射てないので、回答にもピンとこないのです。

どういうことか、次の段落でご説明いたします。

ゴールから考える

『何がふわっとしているか』というと、質問の中のこの点です。

手元に残るお金が少ない

多い少ないというのは個人の感覚です。

10万円を多いと感じる人もいれば、少ないと感じる人もいます(私なら大金ですけどね)。

ですので最初に考える必要があるのはこういうことです。

『いくら手元に残れば満足ですか?』

例えば月に10万円手元に残したいのであれば、目標は年間120万円ですよね。

これをどうやって稼ぎだすかを考えればいいわけです。

一方で、多い少ないを議論しても具体性に欠けるので、出てくる対策も具体的では無くなってしまう場合があります。

ふわっとした質問に対してまともに答えても改善に結び付きません。

ちなみにこの方、あちこちで同じ質問をした挙句、納得できずに私のところにお越しになったとの事です。

(さらにちなみに、この方の相談に対して税理士さんがつくった資料も拝見しましたが、まったく的はずれでした。こうした点もこの方の混乱を深めた原因だと感じました。)

そうですよね、ジプシーのようにあちこちでふわっとした質問をして、ピンと来ない答えをもらっていたのです。

でも今回のご相談で、少なくとも『ご自身が何を知りたいか』にはたどり着いたようで安心しました。

改善活動、頑張ってもらえると嬉しいです。