紹介入社の社員を辞めさせる
先日の投稿で、経営コンサルタントは社長の味方であり、
従業員の味方では無い、というお話をしました。
本日は従業員さんのお話です。
そこは小規模の製造業の会社でした。
社員募集はハローワークだけを使っていましたが、
人手不足もあってなかなか希望者が来ない、
というお悩みを抱えていました。
「何人募集してますか?」と伺ったところ1人との事です。
「ネットの求人サイトに登録しようかと思っている」
との事でしたので、それに何十万円も払う前に、
従業員さんに親せきや知人を紹介してもらって、
報酬を出してみては、
とお勧めしました。
結果はめでたく応募があり、その中から1名採用となりました。
問題はこの後です。
◆ 中途採用者と社長が上手く行かない
紹介で入社したこの人(20代後半男性)と、社長さん(40代なかば男性)が、
反りがあいませんでした。
私は一次的には社長の味方ですが、見ていてもこの
紹介入社の男性、ふてくされてしまっていました。
私がお邪魔した際も、挨拶を返してくれないくらいでしたから
(何があったかは、この場ではお話しません)。
社長も「まずいの採っちゃった、でも社員からの紹介だから
無下に辞めさせられない、どうしよう」と言っています。
さて、どうしたら良いでしょう?
◆ 躊躇しない
私は、「解雇を覚悟した上で、段階を踏みましょう」とお話しました。
この会社さんは小規模ですので、従業員ひとりひとりの役割が大きいです。
そんななかで1人のパフォーマンスが悪いと、
周囲にも悪影響ですから対策は急がなければいけません。
紹介してくれた従業員に事情を話して、
今後の教育と対応はするがそれでも改善しなければ
解雇しようと思っている旨を伝えました。
また、本人とも定期面談のなかで社長の考えている事を伝えて、
「改善してほしいしそのなかでは双方向の会話を重視している事」
を伝えました。
ちなみに、この会社は小規模ですが従業員との定期面談をしています。
従業員を大切にする姿勢が伝わってきますね。
これらは、何の変化球でもありません。
普通の対応であり王道です。
この対応をしてもらったところ、4か月後には社長さんが
だいぶ明るい顔をしていました。そしてこの社員さんは辞めました。
新しい人を募集しなければならないので
人手不足の対応としては遠回りでしたが、
社長の経験値と紹介入社の経験値はあがりました。
その証拠に社長は「次の募集も、ハローワークに加えて紹介制度も継続」
と言っていました。紹介制度を紹介した者としては嬉しい反応ですし、
躓きからでも何かを得ようとする社長の姿勢に好感を持ちました。
さてさて、今回は長期雇用に繋がらなかった紹介制度ですが、
中小・小規模企業が若干名を採用するときには有効な手段の1つです。
今回のような躓きがあったとしても、実際には自社の従業員が
入社を勧めてくれるのですから。
そんな紹介制度のメリットを解説した動画を紹介いたします。
特に小規模でやられている方にお勧めしています。