辞める理由を話さない社員に何を聞くか
冒頭から唐突ですが、社員は辞めるものです。
新卒で入社して定年まで勤める社員は稀ですから、言われなくてもお分かりだと思います。
国税庁が公表している「民間給与実態統計調査(平成29年)」という調査によると、全体の平均勤続年数は12.1年です。ちなみに10年前と比べ0.5年伸びています。
ですので、繰り返しますが、社員とは辞めるものです。
問題なのは続けざまに社員が辞める状態に陥った時です。実際に、私の支援先でもこのようなお悩みの相談が多いです。「定着しない」とか「育つと辞めていく」とかです。なんで辞めるんでしょう?
実際、中小企業にとってみれば国税庁の調査みたいに12年も勤め続けてくれるなんて、夢のような話です。
◆ 辞める理由はひとそれぞれ、でも
↑ といってしまうとミもフタもありません。
ただし、それは本当です。そして、辞めるときに、退職する本当の理由などちゃんと話してくれる人はほぼいません。これは事実です。ですので、一生懸命説得しても、理由を聞いても仕方ありません。
社員が退職する去り際に聞くのにお勧めなのは「この会社どうだった?」です。
これは、答えの内容はともかく、高確率で解答してくれます。なぜならこれは、既に会社から心が離れてしまった自分のことを語るのではなく、自分の外側にある会社のことを語るので、こたえやすいからです。
しかも、去る直前の印象ではなく、勤務期間トータルでの印象を語ってくれますので、近視眼的な答えが出てくることもありません。実際、辞める理由を答えてくれない社員にこの質問をしてみたところ、こんな回答をもらいました。
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・ しもじもは頑張っているが、課長以上は何をしているかわからない。上長に相談しても「俺には判断できない」といわれて、突っ返された。役職でこのレベルかと思ったので、残念。
・ 社長は自分たちを見てくれているようで、実際はポーズだけ。
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ほら、ちゃんと言いたい事はあったみたいです。
この印象が正しいかどうかは、個人の意見なので分かりませんが、少なくとも改善の余地は見えてきます。
大事な社員が辞めてしまうのは残念ですが、そんな時に転んでもタダで起きているようでは、社員は辞め続けてしまいます。
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