解説 ものづくり補助金 採択される申請書の書き方 2020年

6/30にものづくり補助金の第2回募集の採択結果が発表されました。

私は今回の2次募集で2件申請書を書かせて頂き、2件とも採択されました。

私自身はこれ以上無い採択率でした。そして全体の採択結果はこちらです。

令和2年ものづくり補助金採択 結果

締切回 / 採択発表日 / 応募者数 / 採択者数 / 採択率
1次/令和2年4月28日 / 2,287 / 1,429 / 62%
2次/令和2年6月30日 / 5,721 / 3,267 / 57%

令和2年は2次募集は1次と比較して件数が増えて採択率が下がっています。

1次落選組の再チャレンジと1次に間に合わなかった組の申請増加が影響していると思われます。

それにしても申請件数は2次が1次の2.5倍!

当然ですが、採択は狭き門になりますよね。

ものづくり補助金 私の申請案件


私自身は2次で2件申請書を書かせて頂きました。

秘密保持契約がありますので詳しくは言えません。ただし2件とも製造業ではありません(ここポイントです)。

1件目は商社のサプライチェーン改善とECサイトの拡充

2件目はソフトウエア開発・販売です。

両方ともコロナ枠類型Bで出しました。「非対面ビジネスへの転換」ですね。

採択される申請書にはポイントがある

さて本題です。

今回の記事はものづくり補助金の申請を初めて行う方に、採択される申請書の書き方をお教えします。

そしてお教えする前にお願いです。

まずは、この公募要領を読んでください。

20ページ程度で絵がたくさんですから、すぐ読めます。

できればこの要領に目を通してからこの動画をみて頂くと
より理解が深まります。

ものづくり補助事業公式ホームページ
ものづくり補助金総合サイト
http://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

ものづくり補助金 採択される申請書に大切なこと


採択に繋がる申請書のポイントはこの5つです。


1.案件の質

案件の質というと少しわかりにくいですよね。

つまり申請する案件が『ものづくり補助金と相性が良いのかどうか』ということです。

この相性は案件の性質上、どうしようもありません。

通りやすい案件はこんな順番です。私個人の感想ではありますが、経験者談としてお示しします。

こんな順番ですね。

私が申請書を書かせて頂いた2件は以下に該当します。

2.新商品開発・販売
3.システム導入

ですので「採択されるのはちょっと厳しいかも」と思いながら書いていました。

一方で、自分の書いた申請書の内容(革新性のストーリー作りや妥当性)には自信がありました。

ただし、今回はコロナ型の「非対面ビジネスへの転換」で申請していました。

ですのでに「非対面ビジネスへの転換」関しては、『やや強引なこじ付け』という印象でした。

そもそも案件自体がものづくり補助金に即しているかというと難しいので(システムとソフト開発は一般的に不利と言われています)。

ですので採択されるかどうかは五分五分、と印象でした。でも2件とも採択されました。

その申請書を書く際に重視したポイントをお教えします。

2.ストーリー作り

ストーリー作りでもっとも大切なのは、

「革新性のストーリーが創りやすいかどうか」

です。よくある失敗例がありますのでお教えします。

失敗例1


案件内容
在庫管理システムの導入

失敗の理由
IT導入補助金で対応可能。ものづくり補助金である理由が表現できていない

失敗例2

案件内容
安全機能の付いた自動車の車検設備導入

失敗の理由
革新性なし。制度改正によりいずれ全ての車検工場が導入する。

失敗しないために

かならず、価値を上乗せしてください。

例えば競合他社との比較優位や、製品の新規性など。

先ほどのシステムや車検の例ですと、採択されている案件はこんな内容になっています。

【在庫システム事例】
・レンタルドレスのAIダイナミックプライシング及び在庫管理システム

・トレーサビリティ管理と販売・仕入・在庫管理システムの統合型導入

【車検設備】
・ 先進安全自動車対応設備導入と車検工程内製化による収益向上

・ 先進安全自動車と大型車両車検体制整備による顧客拡大事業

3.文章の読みやすさ

当たり前ですが、審査員は10ページの事業計画書を読まなければいけません。

事業計画書で初めて接する企業のことを理解してもらわなければなりませんので、分かり易さは重要です。

そしてこれは少し気を付けるだけで、対応できます。

具体的にはこういうことです。

文字数に気をつかう

長くて理解しにくい文章の代表は法律の条文です。そんな文章を書いてはいけません。

1文は30~40文字にしてください。

頭の良い人ほど、文章が長くなります。そして補助金の申請書を自力で書こうとする人は、大概頭の良い人ですので、この失敗に陥ります。

誰かに読んでもらう

出来上がった申請書は、予備知識の一切ない誰かに読んでもらってください。

奥さんでも新人従業員さんでも良いです。とにかく素人さんが望ましいです。

ここで分かりにくいところを遠慮なく突っ込んでもらいましょう。

その時に、怒ってはいけませんよ。一生懸命書いた申請書にダメ出しされるとついイラっとしがちですけど、ぐっと耐えて改善点を教えてもらいましょう。

4.図表

事業計画書の半分は図表にしてください。

そして、図表だけをみていくと全体のストーリーがわかるレベルにしてください。いわばマンガです。

審査員の立場になって考えれば、理由は明らかですよね。

『分かり易さ』が大切なのです。

私はページの左半分は全て図表にしています。イラストも使って分かり易く表現する事を心がけています。

5.加点要素


そして加点項目は全て網羅する事。

これは必須ですね。網羅していても採択されない案件もあるくらいですから、ここで得点を取れないようでは勝負になりません。

加点項目はこちらです。必ず全てとりましょう。

この手間を惜しんでいるようでは採択はおぼつきませんよ。

おすすめの補助金申請方法

以上を全て網羅して初めての方が申請書を書くと、おそらく60~80時間が必要だと思います。

自社についての記述は良く知っているので書ける人が多いのです。

一方で市場環境の分析、競合の状況という外部環境を調べて書く事に時間がかかるケースが多いです。

それからデータ収集、図表の作成などなどの手間もあります。手元にない情報は作らないといけませんからね。

時間を捻出できない場合は

60~80時間を捻出留守のに会社員の方でしたら、1日5時間換算で12日から16日です。2~3週間という感じですかね。

そこまでやって採択率60%ですから、厳しい挑戦です。

「通常業務もしながらそれは難しい」とお考えになるかもしれません。

そういう方にはこんなお勧めをしています。

初回はプロに書いてもらう

まず、この仕事を1回で辞めるのはもったいないです。

政府予算の都合で断言はできないにせよ、毎年ある補助金ですので、毎年の設備投資枠と考えます。つまり毎年申請するとい事ですね。

1年で1000万円を10年やれば1億円です。多きな節約ですよね。

そして、初回はプロに書いてもらいます。

それでひな型出来ますから2回目以降は自力で書く手間が短縮されますよね。

これがお勧め方法です。

もちろん「時間と採択率をお金で買う」という考えでプロに頼んでも良いと思います。

さて、今回は以上です。
ものづくり補助金に挑戦される方、お役に立ちましたでしょうか?


そして「自力では難しいかも」とお考えの方。

申請のお手伝いをさせていただきます。

お気になる方は是非ともこちらからお問い合わせください!




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