いつまでもまとまらない考えをまとめるには
1か月前の悩みを覚えているか?
私は中小企業診断士の資格を持って、経営コンサルタントをしています。
そして公的機関の経営相談窓口のお仕事をする場合があります。
窓口に座っていると、本当にいろいろな方が、いろいろなお悩みをもってお越しになります。
人の数だけお悩みがありますね(いや本当に…)。
そうえば、石破茂さんという国会議員さんが『国の数だけ正義がある』と言っていましたっけ。
余談はさておき、人はかようにいろいろなお悩みをお持ちです。
そこでひとつ質問です。
あなたは1か月前に何を悩んでいたか、覚えていますか?
多くの方はそんなこと忘れてしまっています。
正確に統計を取ったわけではありませんが、この質問に即答できるのは、10人に1人くらいです(私の経験上)。
ちなみに、私も即答できません。
私はほぼ毎日ノートをつけていますので、それをみて「思い出す」というレベルです。
そして、『思い出さなければ思い出せないお悩み』なんて、もはやお悩みではありません。
そうですよね?
悩みは自分が生み出している
ひとは目先の悩みを、思いのほかすぐに忘れます。
なぜかというと悩みとは所詮「悩み」に過ぎないからです。
それはご自身の脳が考えて生み出しているものに過ぎません(お分かりになりますよね)。
言葉を替えると、悩みとは目の前の『過ぎたこと』を脳が反芻しているということです。
お悩み相談に来た2代目社長
先日、とある飲食店さんがご相談に来ました。50代の2代目が現社長です。業歴30年のベテランさんでした。
遅くまで働いているんだけれど、利益が出ない、効率が悪いのかと…。
お店の食器や椅子テーブル、調理機が古いので新しくしたいのだが、利益が出ていないのでなかなかできない。
こんな感じでお悩みごとをお話ししに来ました。
正直「まとまってない」お話だったのですが、私はず~~~っと拝聴していました。
喋るのは考えをまとめるため
実は『考えがまとまらない』、『悩みが解決しない』ときには、『話をすること』それ自体に価値があります。
あなたも話しているうちに考えがまとまることがあると思います。
これは、他人に話そうとすると、自分の頭で話す内容を考えているからです。
ですので、話す事、喋ること自体に価値があるのです。
発言すると責任をとりたがる
ひとは自分が口にしたことは実行する傾向にあります。
自己啓発セミナーなどで自分の目標を口に出して言わせるのは、この効果があるからです。
ですので、私はお話を聞いた後、「ご自身ではどうすれば良いと思いますか」と聞くことにしています。
これだけで考えがまとまり、やることもわかり、すっきりして帰る方がいらっしゃいます(その後、実行しているかどうかは、全く別の問題ですが、それはまたどこかでお話します)。
おまけ 愚痴はタダではない
このように私は、相手に話してもらう事を大切にして窓口に携わっています。
ただし公的支援機関の経営相談は、基本無料(事業者負担なし)ですので、本当にいろいろな方が来ます。中にはず~~~っと愚痴を言う人もおられます。
聞いている方はたまったものではありません(私はプロなので良いのですが)。
私の好きな漫画家の西原理恵子さんは漫画の中で『愚痴はただじゃない』と仰っていました。
人にタダで愚痴を聞いてもらおうとしてはいけない、という意味ですね。
また、相田みつをさんは『聞いてくれる人のおかげでグチもこぼせる』と仰っています。
そんなケースの相談も勿論あります。たとえそんな時も、私はプロなのでじっと聞く事にしています。
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