大切なのは知恵を出せる人をそばに置くこと
ビジネスはアイディア勝負だ？
「ビジネスはアイディア勝負だ！」と昔読んだビジネス本で力強く書かれていました。
当時の私は相当ひねくれていたせいか「アイディア出すだけじゃなくて実行する能力もいるだろ」と独り言で反論していました。
経営コンサルタントに実行できないアイディアをだされても、事業者さんはしんどいですよね。
余談ですが、コンサルタントは『自分が支援できること』を言うので、それがイコール「事業者さんが出来ること」ではありません。
この辺を見極めて支援を受けて下さいね。
コロナ禍で試食販売ができない
さてさて、パン屋さんの事例を使って、『アイディア』に関してひとつお話をさせて頂きます。
こんなお悩みをお持ちのパン屋さんでした。
外見イマイチ・味は美味しい新商品のパンを売り出しました。
見た目のイマイチさで、POPを付けてもなかなか売れません。
試食販売しようにも新型コロナウイルス感染症に配慮すると、一口サイズにカットしたものを陳列棚の横に置くというのもできません。
差し当たり手作りチラシを来店客に渡して販促したのですが、それ以外に良い方法はありますか？
はい、ご相談いただきありがとうございます。
そういえば以前パン屋さんでこんな記事を書きました。
ちなみにこのパン屋さんとは別のお店からのご相談です。
話を戻しまして・・・、
このパン屋さんは試食をしたかったのですね。
味は自信があるから食べてもらえればなんとかなる。
私もその通りだと思います。
美味しければ買ってもらえる可能性も高くなりますから、是非試食を、というところです。
現状を踏まえた知恵をだせるかどうか
私は試食をお勧めしました。
ただしそれにはこんな知恵を付け足しました。
このお店は手作りクッキーもうっているのですが、そのクッキーを入れる透明ビニール袋に、試食用の一口サイズパンを入れて店頭に置く。
要は感染症対策をして、試食してもらえれば良いということですよね。しかも極力お店の手間がかからないように。
この結果、この新商品の売上は、1週間（＝5日間）で2個から10個に増えました。
5倍も！
と思われると少々恥ずかしいですね（元々の販売数が少なかったので）。
でもこんな知恵ひとつで、売上は増えるというのは事実です。
このお店の方がやったのは、お店にあるビニール袋に試食用のパンを入れただけです。
わずかな手間ですよね。
そしてこのパン屋さんの偉いところは、そのわずかな手間を惜しまずに、アイディアを実行したところです。
わずかな手間の大切さに関しては、この記事をご参照ください。
積み重ねが大きな差を生む
経営コンサルタントをしていると、成功している会社やお店、そうでない会社やお店、両方を見ています。
その両者にある差は、一つ一つを取ると決して大きくはありません。
まさに先ほどの『ビニール袋試食』程度の差です。小さなことですよね。
一方でこうした一つ一つの積み重ねが、長い時間をかけて大きな差になっていく場合が多いです。
多くの場合、時間を味方につけ、継続的に改善を積み重ねる事業者さんが成功を収めています。
そして、直ぐに結果が出ずに投げ出してしまう方も多いので（とてもとても多いので）、この『積み重ねる』ということにはそれだけで大きな価値があります。
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