親子の意見はどちらが正しいか
新しい年になりましたが、早速始めさせていただきます(明けましておめでとうございます)。
社長のお父さんの後継ぎとして息子さんが仕事をしておられる場合があります。
難しい言葉でいうと「親族内承継」の準備段階ですね。
承継前も承継後も親子の意見というのは、なかなか合わない場合があるものです。
『どちらの意見が正しいか』と安易に一般化してはいけないのですが、『いくつかの事例を見る限りこんな傾向がある』ということくらいは言ってもよいのかな、と思います。
ですので、今回はそんなお話です。
父親は30年進んでいて、30年遅れている
某会社を例にとってお話します。
そこはお父さんの社長70歳、息子さん40歳の餃子が美味しい飲食店さんでした。
お父さんは料理人として開業して40年の叩き上げです。
決算は凸凹あれど概ね黒字、借入金無しでやってきました。息子さんは20歳で働き始めてこの道20年です。
お父さんだけでは無く、息子さんも十分ベテランの域です。
それでも料理人として50年、経営者として40年もやってきたお父さんからすると、息子さんはまだまだ未熟な存在です。
お父さんの方が料理人のキャリアは30年も上ですからね。
一方で、お店のお客さんは徐々に世代交代して、いまは息子さんより下の世代が多くなりました。
正直、お父さんよりも息子さんの方がお客さんを良く理解できている印象を受けます。
つまりお父さんは『経験値』という意味では30年先を行っていますが、『お客様の理解』という意味では30年遅れています。
息子が父親を超えるとき
こうした状況を踏まえると、料理人・経営者としての手腕は、息子さんがまだまだお父さんから学ぶところは多いと感じます。
一方で、お店の魅力を伝える集客方法に関しては、お客様を知っている息子さんの方が進んでいます。
お父さんは、その点を認めてもっと息子さんに任せてあげれば、と考えるのですが、親子の感情や自分が築き上げた実績が邪魔をしてしまうことがあります。
でもこれは息子さんがお父さんを超える機会ですよね。それができれば安心してお店を任せられる日がやってきます。
是非とも、そんな息子さんを育てた『経営者としての自分』を褒めてあげて下さい。
私はそう思いますが、いかがでしょうか。
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