友達とビジネスの関係

廃業という名の事業終息


経営相談窓口には、コロナで厳しい経営を余儀なくされる経営者の方が来られます。

先日、外国人の方が相談にお越しになりました。

何度か来て頂きお話をしたのですが、金融機関の追加融資が得られず、厳しい状況でした。

またこの方は日本語が得意では無くその点も厳しい環境を乗り越えるには不利な点でした。

『一度事業を終了させてお勤めをして資金をためるのが良いのでは』

と私は感じていました。

昔から知っている友達なので



この外国の方、4度目の相談です。

今度は友人の日本人と一緒に、とある国の施策の活用を相談に来られました。

この友人の方は、お仕事が忙しいにも関わらず、時間を割いて通訳をしてくださいました。

『昔から知っている友達なので』


と事もなげに、さわやかに答える姿に私は感動しました。

いや、本当に。

商売をしていると、良いときはあちこちから人が集まってきます。

そして商売が厳しくなるとそういう人たちは蜘蛛の子を散らすように去ってゆきます。

この日本人の方は、蜘蛛の子のようには去って行きませんでした。


こんな時に君たちのところに来てくれるのが、本当の友達なんだよ


1964年の東京五輪でサッカー日本代表として戦った川淵三郎さんは、著書「独裁力 (幻冬舎新書)」の中で、時の日本代表監督のこんな言葉を紹介しています。

この五輪大会で、日本代表は予選でアルゼンチン代表を破り、大きな称賛を得て、国民を興奮させてました。

そして大きく膨らんだ期待の中、決勝トーナメントの1回戦でチェコに0-4で敗れます。敗戦後のロッカールームで日本代表の監督だったデットマール・クラマーが語った言葉です。

こんな時に君たちのところに来てくれるのが、本当の友達なんだよ



経営相談に来られた外国人の方は、商売は思う様に行かなかったかもしれません。

でも、こんな時に来てくれる本当の友達がいて幸せなのかもしれません。

私はそう思いました。


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