未だお店の売上が戻らないお店は何が悪いのか
多くのお店は売上の回復が出来ていない
コロナ感染症の影響で、売上の低迷が続いているお店の相談が多いです。
週に3回相談窓口に立っている私の感覚ですと、全体の7-8割のお店が売上回復せずという印象です。特に生活していく上で、「ちょっとの我慢ができてしまう」飲食やサービス業は厳しいです(生活に必須な理髪店などは、お客が戻っています)。
さて売上の戻らないお店の方々には、何が足りていないのでしょうか。今回の記事で書きたいと思います。
ちなみに以前こんな記事を書いていますので、あわせてご覧ください。
8月に売上が戻っているお店
まずは、売上が回復しているお店の事例を紹介したいと思います。
このお店は観光地にある喫茶店です。
観光地ですので、コロナの影響は大きかったのですが、8月に売上がほぼ前年100%にまで回復しました。特に観光は『県をまたいだ移動の自粛』や『不要不急の外出自粛』で大きな打撃を受けている業種です。
ですから、このお店がいかにすごいか、お分かりいただけると思います。
しかしこのお店もすぐに売り上げを戻したわけではりません。コロナ禍の4-5月には売上9割減、という厳しい状況になっていました。とても雇用が維持できる状態ではありませんよね。
この状況から8月に復活するまで、このお店はどんなことをしたのでしょうか?
売上回復のために何をしたか
実は奇策はありません。やるべきことをひとつずつ積み上げていっただけです。それはこういう事でした。
①ソーシャルディスタンス
具体的には店内の座席の間隔を空ける、ということですね。
店舗面積が広いのでこれが可能でした。席数が減った分、客単価を上げなければいけませんが、まずはお客に来てもらえる環境づくりを優先しています。
②換気をする
お店には窓がありました。窓を開けっぱなしにして換気をします。そのためにはエアコンを強くしてつけっぱなしにしなければなりません。
ちょうど更新時期だったこともあり、このお店はエアコンを取り換えています。ちなみに今年の夏は猛暑でしたので、早い時期にエアコンを付け替えておいて大正解だったわけです。
③消毒を置く
これはどのお店でも実施していますよね。まあ当たり前です。特筆する事はありませんが、念のため。
④ これら3つの対応をSNSで、定期的に配信する
ポイントはここです。
このお店ではお客が来ない時期も、お客が戻り始めた時期も、定期的にお店の対応と状況を発信し続けていました。
このアピールにはもちろん「いいね」がついていました。そしてコロナ第2波がきて『県をまたいだ移動制限』がされているころ、県内のお客が来はじめます。
そしてコロナ第2波がピークを越えた8月下旬以降は県外のお客も戻り始め、締めてみると8月の売上は前年同月比で100%を超えていました。
あなたのお店は変化にどう対応したか?
さていかがでしたでしょうか?
このお店の対応はマーケティングの基本をきっちり抑えています。
コロナ禍の現在、お客が求めているのは『安心』です。
その『安心』を提供する環境をつくり、その環境をお客にアピールする。
これを一般化すると、『顧客のニーズをとらえて、自社の価値を訴求する』ということになります。
このお店はこれをちゃんとやっていた、ということです。
一方で、売上が戻らないお店のコロナ対策を聞くと『従業員はマスクをして、お店に消毒を置きました』に留まっていることが多いです。
この対応はお客が求めているものを提供できているでしょうか?
『お店にお客が戻らない原因は、コロナにあるのではなく、お店にあるのです』
とまでは言いませんが…(窓口では優しい診断士で通っていますので)、
ご自身の対応を再点検してみる価値はあると私は考えます。
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