自分から断るのは、最悪の方法である

仕事には、やりたい仕事とやりたくない仕事があります。

私は中小企業診断士の資格を持って経営コンサルタントの仕事をしています。

お仕事は知り合いからのご紹介で頂くことが多いです。

紹介いただく仕事にも、やりたい仕事と同じくらい、乗り気のしないお仕事があります。

断りたい仕事は誰にでもある

お仕事や会社や人をご紹介くださる方は善意のかたまりです。

一方、こちらからすると得意でない事や、忙しくて余力がない場合があります。

また、紹介で会ってみるといかにも相手との相性が悪い、ということも。

そんなとき、私は自分の直感に従って、お仕事をお断りしています。割合的には10件に1件程度です。

ただし、直接的にお断りするとお相手にも紹介者にも申し訳ありません。

それを避けるために必ず実施するプロセスがあります。

即答の『できません』は、最も避けなければならない

先日、とあるメーカーさんとお話しておりました。

加工単価200円の仕事を貰っている得意先に『年明けから100円にしてほしい』と言われたそうです。

いやはや、べらぼうな要求ですよね。

『本当にできると思って要求しているのか』

と疑いたくなります。

そして、ここの社長さんは即答で『できません』と答えました。

まあ結論からすればその通りなのですが、そこで終わっては何にもなりません。

下手をすると今ある200円の仕事すら無くなってしまいます。

『できません』という結論はその通りですし、それを即答すると一見カッコイイしです。

そして言った方はスカッとするのですが、それはいわば『職人さん』の回答です。

ビジネスマンの回答ではありません。

ビジネスマンはもっと強か(したたか)にいかなければ。

要求の背景を探る

この社長さんには、まず即答は避けて、こんな情報を取ってください、とお願いしました。

『100円に値下げが必要な背景を説明してもらう』
『100円になった場合、ロットや注文や納期はどう変わるのか聞き出す』
『他社には同様のオファーをしているのか、他社がどんな回答をしているのか調べる』


などなど

つまり『即答せずに、情報を集めて時間を稼ぐ』ということです。

確かに無理難題なリクエストですから、イラっとします。

そして出来るわけがないので、こちらが考える余地はありません。

でもそこで終わってはビジネスまで終わってしまいます。

必要なのは、現時点で足りていない『情報と時間』です。

更に、取引先も満額回答が来るとは思っていません。

ジャブを打ってこちらとの距離感を図るための『100円』要求です。

こういう時は、断らずに時間と情報を獲得して、最終的に相手に決めさせます。

断らずに、相手に決めさせる

この社長さん曰く、『満額回答はまず不可能』です。

であれば、満額回答しなければ良いのです。

具体的には、獲得した情報と時間を使って、こちらから

『この条件ならできます』

の回答をする、ということです。

『どのくらいが落としどころでしょうね?』

と社長と私で会話しましたが、『数量現状維持なら190円、1年後に180円かな』とのこと。

であれば、それを回答した上で『ロットをまとめてリードタイムを伸ばしてもらえれば180円までは』という可能性を見せてあげれば良いです。

それでOKなのか、ダメなのかは客先に決めさせれば良いのです。

少なくともこちらからは断っていませんよね。

こちらの出した条件がダメだったとしたら、お断りするのは先方です。

それは先方が判断したことですからこちらは断っていません。

少なくともこちらからお断りして、そこでビジネスが終わってしまうリスクは回避できます。

取引上の力関係が存在する以上、こちらからお断りすることはできれば避けなければいけません。

短気を起こしてイラっとせずに、ぜひ情報と時間を稼いでください。

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