自分で考えて行動したことに価値がある

私は中小企業診断士の資格を持って経営コンサルタントをしています。

事業者さんからの相談を受けることが多いのですが、事業者さんの中には、教えてもらったことを消化できずに、別な人のところに相談に行ってしまうことがあります。

私の場合、お医者さんの診断を受けた特に、別なお医者さんに意見を伺うことがあります。いわゆるセカンドオピニオンというものです。

最終的に、自分で考え判断できる人は良いのですが、そうでないと意見に振り回されて行動に移せない事があります。

他人の意見を聞いて終わり

経営コンサルタントの世界でも、相談する事業者さんが複数のコンサルタントに相談して自分の考えをまとめる場合があります。

先日、私が経営相談窓口で相談を受けた方は、私の前に6人の専門家に相談をしていました。相談履歴を見ると、相談内容は全く一緒です。

ご自身の求める答えが得られなかったのかもしませんね。

一方で6人もの専門家からでてきた答えが重複しているのですから、『7番目の意見』を求めるよりも『自分で考えて行動する』段階に来ているともいえます。

複数の人間の意見を求めることは良いことだと思う一方、多くとも2~3人程度の異なる意見を集めたら、その後は自分自身で考えて行動する時間にする必要があります。

なぜならば、ご自身の事業にとって重要なのは『考えて行動すること』だからです。

意見を聞いて知識を得ることで終わっては、何もしなかったことと同じです。

教えてもらえるのは『知識』でしかない

経営コンサルタントを含めて、いわゆる『先生』と呼ばれる人が教えてくれるのは、『知識』です。

彼らは、相談者よりも専門知識を豊富に持っています。相談者が知らない知識を提供することがサービスです。

つまり『知識の差』をビジネスにしています。『知識差ビジネス』なんて呼ばれたりもします。

経営相談窓口などで行う一般的な相談で得られるのはこの『知識』でしかありません。

知識をご自身のビジネスに活用するには、その知識を消化して自分のビジネスをどう改善するか、考えて行動することが重要です。

知識を得ただけででは結果に繋がりません。

『考えて行動すること』が重要です。

考えて行動することで価値が生まれる

教えてもらうことは『受け身』の作業なので、相談者にとっては簡単にできます。

極論すると、自分は座って聞いていれば良いのですから。

一方で考えて行動することは、その何倍も労力を要します。

件の相談者さんは、結局ご自身で行動する段階に至っていない方でした。

教えてもらう段階に留まらず、得た知識を『自分にどのように当てはめて、どのように行動するのか』が、ご自身の事業に価値をもたらすことになります。

相談に行って知らなかったことを知る、セミナーに出て賢くなった気がする、という段階で終わってしまうのは、大層もったいないです。

少なくともご自身で、『相談に行こう』と『考えて行動した』のですから。

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